書評[世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?]
書評です。
「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」
所感:「美意識を鍛えて、自分自身の哲学的価値観を鍛えろ」って主張したいのかな。
この本に期待していた内容とは、全然別でした。
アートは具体⇄抽象化の考え方を鍛えるものだと思っているので、
むしろサイエンスに近いと思っています。
→この本では、サイエンスではなくて、哲学的価値観を鍛えることを重要視しています。
現状
・従来は「分析」「論理」「理性」のような論理的思考で問題を解決していた
現状の問題点
・複雑化した現代では、論理的思考のアプローチでは、合理性的な結論を得るまでに意思決定は膠着してしまう。
・多くの人が論理的思考を身につけた今、論理的な思考により得られた結論はコモディティ化した。
・ルールが後から制定された場合、論理(ルール)に基づいて得られた結論も、後から違法となる可能性もある。
・自己実現消費社会となった今、機能的優位性を表す結論(論理的アプローチにより得られた結論)よりも、
人の承認欲求や完成を刺激するものが求められる。
解決策,主張したいこと
・明文化されたルールをより拠り所にしてではなくて、
内在的な美意識を拠り所にして意思決定をする
結論
美意識により
→自分の美意識に照らし合わせた価値観で、全体像をすばやく把握できる
→美意識に照らし合わせた結論は、人それぞれユニークなもので差別化でき、人の承認欲求を刺激する。
→自分の善が正しければ、ルールが後から制定されても、後から違法(悪)となることはない